2018年12月7日金曜日

個人プレゼンテーションの時間〜自分に出会う、他者に出会う〜

12月。今年も残りわずかです。
「個人プレゼンテーション」というリワークプログラムがあります。
毎月1回実施しています。
個人プレゼンテーションは、メンバーが一人ひとり、リワークメンバーとスタッフとを前にしてプレゼンテーションするプログラムです。
発表時間は5分間。
毎月、プレゼンテーションのテーマがスタッフから発表されます。
メンバーは、そのテーマから発表内容を考えます。そして、プレゼンに向けて準備をします。
個人プレゼンへの取り組み方を通じて、各メンバーが個人で仕事をするときの傾向が現れます。
余裕をもって準備に取り掛かる人。
直前になって慌てて準備する人。
毎日コツコツ準備をする人。
一夜漬けのように直前に仕事をする人。
リワークの個別作業の時間を使って準備をする人。
家に持ち帰って仕事をする人。
さまざまです。

また、発表のツールの選択などにも、その人らしさが表現されます。
パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトを使う人。
パソコンは使わずに、口頭で発表する人。
手書きの絵や文字を使って発表する人。
さまざまです。

リワークでは、休職に至った自分の変化を何らかの形で目指します。
その変化があるから、職場に戻った時に休職したときと同じような事態に直面しても、今度は職場を休む方向を採らずに済む訳です。

職場の仕事では、いつも〆切直前にならないと仕事に手がつかなかったメンバーがいたとしましょう。
その人は、やるべき業務があることはわかっていました。でも、手をつけずに後回しにしていました。
それでやれている分には良かったのです。
でも、業務が増すと、直前に仕上げるやり方では、上手くいきません。
しかも、この人は困っていることを職場で言えなかったとします。
つまり、「まだ手をつけていない業務があって、新しい業務に手が回りません」とは言えないのです。
こういう状態がずっと続いています。その一つの延長線上に、休職があったのかもしれません。

こういう方が、個人プレゼンというプログラムに取組むときに、何が大事になるでしょうか。
立派な内容のプレゼンをすることでしょうか。
素晴らしいパワーポイントを作ることでしょうか。
皆から「すごい」と言われるようなプレゼンをすることでしょうか。

それよりもずっと優先すべきは、職場でやっていた仕事の仕方とは違うやり方で、個人プレゼンの仕事をすることです。

つまり、直前まで手をつけずに後回しする仕事の仕方を変えることです。
また、プレゼンの準備で分からないことや困ったことがあったら、自分からスタッフに早めに相談することです。

休職に至ったときと同じ仕事の仕方を続けて、すごいパワーポイントを作ったとしても、その人の変化には繋がらないのです。

ここまでは、個人プレゼンへの仕事の取り組み方を、復職に向けての変化という観点から、述べました。

個人プレゼンは、しかし、その発表内容にも、その人らしさが表現されます。
また、プレゼンはコミュニケーションの一つでもあります。
自分のプレゼンをメンバーとスタッフに見てもらう。
そして、他のメンバーのプレゼンを見る。
お互いにプレゼンをし合う経験です。
自分を知ってもらう経験でもあり、相手への興味を持つきっかけにもなる経験です。


今月12月の個人プレゼンのテーマは、「2018年の私を振り返る」でした。
プレゼンを通じて、多くのメンバーが、休職に至ったときの体験を振り返りました。
2018年という年を振り返るときに、何らかの形で休職にまつわる苦しみに触れる内容が多かったと思います。
休職した自分が、今年を終えるとき、どう自分を物語るのか。
多くのメンバーが、リワークとの出会いを、リワークでの体験をプレゼンの内容にされていました。
そういう経験をされていたのか、とあらためて知る発表もありました。
そのメンバーが休職を経て、どういう個人的な治療的経験を持ってきたのか。相手に伝わる言葉で発表されていました。
発表を聞いているメンバーは、全員、休職している方です。そして、今ここで治療的経験の最中になる方たちです。
発表の内容が、そういうメンバーの経験に触れる発表だと、聞いている側の感情移入も強くなります。心が動きます。

一方、個人プレゼンの内容に、あまり「私」が見えない傾向の発表もあります。
情報提供型のプレゼンが、その代表です。
情報を知る、という点では、有益です。
ただ、リワークの個人プレゼンに、情報提供型を求めているかというと、そうではありません。
大事なのは、ただの情報提供型のプレゼンで終わらないことが、大事になります。
情報提供型のプレゼンに見えたとしても、発表の中核に、「なぜ私がこの情報に興味を持つことになったのか」という問題意識があるかどうかです。
つまり、「私」があるかどうかです。

個人プレゼンの内容にも、その人らしさが出ます。
「私」に傾く内容。
「情報」に傾く内容。
「私」に傾くとしても、その「私」をどう提示するのか。
「情報」に傾くとしても、その「情報」をどう提示するのか。

個人プレゼンひとつとっても、リワークプログラムの経験には、その人らしさがはっきりと出てきます。
プログラムという経験を治療的な経験にできるかは、ただ「プログラムが終わった」で経験を終るのではなくて、どういう自分に出会ったのかを、感じ取ることです。考えることです。
そして、どいういう他者と出会えたのか、感じること、考えることです。

そうした経験を、お互いに感じ合って、考え合うことです。

そうしていると、必ず、休職に至った時の自分と出会います。
休職に至ったメンバーにも出会います。


そうした出会いを繰り返し、ともに考えることを繰り返していくときに、いずれは新しい自分との出会いが待っています。


2018年10月24日水曜日

乾燥対策、されてますか?

秋らしくなりましたね。
みなさんは、どんなところに秋を感じておられますか?

日が暮れるのが早くなり、気温も少しずつ下がってきました。
空の高さや雲の形、肌で感じる空気も変わってきました。 

スーパーにならぶ果物も、梨が終わり、柿からみかんに変わりつつあります。
私は栗が大好きですが、店頭では最近見かけなくなりました。

忙しい毎日を送っていると、秋を満喫する暇もなく、あっという間に冬になってしまいそうですが、上手くスケジュールを調整して、紅葉やオータムコンサート、銀杏や松茸、蟹の解禁など、まだまだ色んな秋を楽しみたいなと思う今日この頃です。

それと同時に、この時期から始めておきたいのが乾燥対策です。
気温の低下とともに空気が乾燥していることを喉や鼻、皮膚で感じておられるかたも多いのではないでしょうか?

加湿器を利用する
洗濯物の部屋干しを考慮する
水を張った洗面器を部屋に置く
こまめに飲水する
マスクをする
蜂蜜や飴を上手く活用する
粘膜を保護する栄養素を取り入れる
規則正しい生活で免疫力アップを心がける
など。。

ありきたりではありますが、意識して実行することが何より大切だと思います。

「感じてはいるけれど、そう言えばまだ何も対策していなかったな。」というかたは、今日を機会に是非始めて下さいね。
 早めの対策で、風邪やインフルエンザを予防して、思う存分、今年の秋を満喫できると良いですね。


2018年10月4日木曜日

季節の変わり目

だんだんと涼しくなってきて、秋を感じています。
昼間は暑いのに、朝晩は冷える…。昨日と今日では気温が全く違う…。
とコマメな調整が必要な時期となりました。
このような季節の変わり目には、体調管理など、注意が必要ですね。 
 季節に限らず、何かが変化する過程は、たくさんあります。
リワークでは「再発しないように変化して職場に戻る」ということも目標の一つです。

リワーク体験は、まさに“変化の過程”なのだと思います。

人は変化に不安を抱くと言われています。

なぜ不安になるのか。
変化することで、今までの自分のとってきた方略が使えなくなるかもという心配。
何かを失ってしまう恐怖。などを私は思いつきました。
他にもいろいろな理由があると思います。

少しくらい苦しくても、何とかバランスが取れている現状を維持する方が安全だと思うでしょう。

しかし、リワークでは変化を目指します。
たいへんで苦しい作業です。
そのために今どんな変化が自分に起こっているのか丁寧に検討していきます。
そこから変化に耐え得るように、自己調整の仕方を考えていきます。

こころの動きは目にみえないのでイメージしづらいかも知れません。
例えてみると、
季節の変化に耐え得るように、気温をチェックして、寒そうなら上着を持って行く。
こう考えてみるとどうでしょうか。
どこか通ずるところがあるように思います。

季節の変わり目に、「変化」について書いてみました。
一度、自分がどういう変化観をもっているか考えてみるのもいいかも知れませんね

2018年9月21日金曜日

準備の大切さ

 今年は災害が多い年となっています。9月も、台風21号が近畿地方を中心に大きな被害をもたらし、さらに北海道で大きな地震災害も起きてしまいました。被害にあった方々に、心からお見舞い申し上げます。
 自然災害に対して私たちは無力だと感じずにはいられないですが、その中で出来る範囲のことについてはきちんと取り組んでおきたいですね。予期することが難しい災害に対し、いま出来ることのひとつは、やはり準備だと思います。水や食料などの物資の備蓄、家具の固定、家族の間での緊急連絡方法の共有・確認、避難場所の確認など、基本的なことですが、今時点でできる大切なことだと思います。ぜひ、みんなで声を掛け合って準備しましょう。
 さて、このブログの主題であるリワークということで考えてみても、やはり準備が大切ということになると思います。災害とは少し違い、近日必ず訪れるであろう復職の日に向けて、今準備できることは徹底しておきたいところです。

 ポイントは、心理—生物—社会の3つにまとめられます。たとえば、リワークプログラムを通じて学んだストレス対処法や心理学的知識を実際に職場で役立てられるように整理しておくこと。睡眠、食事、運動などに留意して体のケアや調整を十分にしておくこと。職場サイドと業務内容について詳細に話し合ったり、困ったときの相談先などを明確にして、復職後に適切に活用できるようにしておくこと。これらの準備が、復職後の自分を救う大切な力になるはずです。将来を見据えながら、一日一日を大切に、今できることに注力していきたいですね。

2018年9月12日水曜日

季節が秋めいてきましたね


少し前までは猛暑で、熱中症対策をして脱水症状には気をつけてもらうようリワークのメンバーさんにもセルフチェックでお伝えしてきましたが、台風が過ぎてからは徐々に暑さも和らぎ、朝夕の気温が下がるようになって来ましたね。
皆さんは気温に合わせて対応出来ているでしょうか?


気圧や気温の変化は自律神経が乱れやすくなります。
朝夕の冷え込みで、今まで通りの服装や食事では体調を崩しやすいので、早い段階で改善出来るよう対策をお伝えしようと思います。


・朝夕と昼間の気温の変化や、室内外の温度変化に対応出来るような服装選び
 →カーディガンやジャケット・ストール等を活用する
・3食きっちり栄養を考えて摂取
 →冷たい物や麺類ばかりではなく、野菜・肉・魚等、季節の食べ物を取り入れる
・有酸素運動でしっかり身体を動かす
・1日の最後は湯船に浸かってリラックス


生活リズムを整える為にも、セルフチェックや看護面談でよくお伝えする内容ですが、体調を崩さないよう、免疫力を高める為にもとても大切な行為です。
季節の変わり目はたくさんの人が不調を感じやすくなり、日々の生活を改めるいいタイミングでもあります。
最近あまり生活を見直せていなかったなと感じる方は、是非今からでも取り入れやすいところから実践してみて下さい。



食欲の秋・運動の秋・読書の秋…色んな事が取り組みやすい気温になった季節でもありますので、万全の体調で楽しく秋を過ごしましょうね!

2018年8月30日木曜日

2018CRESS交流会

 気がつけば8月も最終週になりました。時が過ぎるのは、あっという間のように感じます。同時に、あれ?まだ夏か…という思いもあります。それは、今年は7月から酷暑だったこともあり、暑さにうんざりしているのかもしれません。うんざりしながらも、夏らしいことをやり残しているので、夏を満喫するチャンスがまだある!とも感じています。今年は、残暑も厳しいようですので、まだまだ暑さ対策は必要ですね。ただ、こんな暑さはなかなか体験出来ないか〜と思うと、この暑さをもうしばらく楽しんでみても良いのかなとも思えてきました。

 さて、リワークでは毎月第3土曜日にアフターリワークを行っています。アフターリワークでは、リワークを卒業して、復職された方々が集まります。8月のアフターリワークは、“CRESS交流会”として実施します。交流会は、毎年8月に実施しており、今年は第6回目となりました。そして、このCRESS交流会は1年に1回の貴重な日なのです。

 交流会では、何をするのかというと、復職された皆さんが、復職してから日々体験されていることや考えられていることを、現在復職を目指してリワークに取り組んでいる在籍メンバーに向けて、お話をしていただく会となっています。今年も、復職されたリワークの元メンバーの皆様がたくさん集まって下さいました。リワークをつい最近卒業されたばかりという方もいらっしゃれば、復職されて数年経たれている方もいらっしゃり、リワークスタッフとしては懐かしいメンバーとも久しぶりに会え、嬉しく感じました。また、在籍メンバーにとっては、いろんな経験を積まれた方々とお会いできる機会だったと思います。

 CRESS交流会は、スタッフがメインで準備して開催する…というわけではなく、現在リワークに在籍されているメンバーの皆様が、リワークのプログラムであるグループ作業の時間を用いて、準備を進めていきます。準備期間は、とても短いです。毎年のことですが、短期間で作り上げなければならず、とても苦労されました。また、お盆休みもあり、作業と作業の間に数日休みが挟まったことも、仕事と休み(オンとオフ)の切り替えに苦労された方もいらっしゃったかもしれません。しかし、在籍されているメンバーの休み明け16日の出席率は高かったと思います。仕事を責任持って取り組むという、在籍メンバーの思いが、仕事と休みをしっかりと切り替えて、リワークに出てくることを可能にさせたのだと私は感じています。

 交流会では、在籍メンバーから卒業メンバーへインタビューを行います。交流会のメイン企画です。インタビュー内容も在籍メンバーが考えます。質問の順番にしても、卒業メンバーのどなたからインタビューするかにしても、全て在籍メンバーが考えます。準備段階ではどのような質問にしようかと悩まれ、当日では上手くいくだろうかとドキドキされたと思います。
 準備の様子を見ていたからか、在籍メンバーの思いに寄った視点でみがちになりますが、卒業メンバーもインタビューを受けることで、いろんな思いが沸き起こったのだろうなと思います。
 卒業メンバーは、やはりインタビューに応えるプレッシャーがあったと思います。どちらの立場で参加しても、いろいろと感情を動かされる企画だったのではないでしょうか。

 今年のインタビュー、「すごく良かった!」というのは私の感想です。昨年も、その前ももちろん、どの年も貴重な体験談を話して頂いていますし、その年の在籍メンバーも熱心に、インタビューに取り組まれますから、どの会のインビューも興味深く、素敵で貴重な時間であることは間違いありません。

 今年のインタビューを見ていて、「すごく良かった」と感じたのは、2つの理由があります。

 まず1つ目。インタビューに取り組まれた在籍メンバーが、卒業メンバーに対して、丁寧に話を聞くことを熱心にされていたことです。これには、感心も感動もしました。ただ単純に事前に用意した質問を投げかけて、“ありがとうございます”で締めくくるだけでなく、卒業メンバーの語りから、率直に感じられた感想を伝え返しながら、卒業メンバーの話を聞いておられたと思います。それは、リワークや職場で自分の話を熱心に聴いてもらうこと、もしくは機械的に聞かれること、どちらの体験もされたからこそ、自分が話を聞く立場になるとき、どのように聞く(聴く)かをしっかりと選択され、実行されたのだと思います。相手から返ってきた言葉を、しっかりと受け取り、自分の思いや感想を加えて、同じように言葉で伝え返すことに皆さんがエネルギーを使われたのだと感じました。また、在籍メンバーは、自分の復職に向けて必死に取り組まれているからこそ、先に復職を体験されている卒業メンバーの話を熱心に聴かれていたのだとも思いました。

 2つ目は、卒業メンバーの語りです。卒業メンバーは、在籍メンバーのインタビューに取り組む姿勢を目の当たりにし、ご自分の体験を丁寧に語られた方が多かったと思います。今回の交流会で問いかけられた質問は、YesNoで答えられるような質問ではなかったと思います。例えば、「復職を目指している在籍メンバーに、一番伝えたいアドバイスは?」だったり、「復職している現在の心境は?」だったり。心に残ったエピソードを問う質問もあったと思います。どの問いに対しても、表面的ではなく、皆さんがリワークで体験し、悩んだり苦しんだりした事も含めて、具体的に語っておられた方が多かったと思います。在籍メンバーへのアドバイスも、〇〇をやっておきましょうではなく、自分の体験を自己開示した上で、自分は〇〇に取り組んでみたから、皆さんも参考に…との表現が印象的でした。初めて会うメンバーもいる中で、自らの体験を踏まえて話をすることに抵抗もあったと思います。その一方で、自分と同じように復職することに熱心に取り組む在籍メンバーを見て、同じように復職に向けて頑張って欲しいとの思いもあり、その思いが丁寧に体験を語ることへと繋がったのだと感じました。

 今回の在籍メンバーから卒業メンバーへのインタビューの時間を有意義な時間だったと感じられたのは、どちらかの力だけでなく、どちらも互いの思いを受け取り、それに互いが応えることで生まれたものだと私は考えています。
 そして、コミュニケーションは一方通行では成り立たないこと、相互交流で成り立つことを実感しましたし、私も皆さんと向き合う際に取り入れていきたいと思います。

 今回のCRESS交流会は、そのメンバーにとっても、リワークで取り組んできたことを肯定してくれる体験であり、復職への勇気や励みになったのではないでしょうか。その一方で、卒業メンバーのように同じようにやれるだろうかという不安も生じさせたかもしれません。
 不安が生じたなら、残りのリワークをどう過ごすかで取り戻せると思います。復職された後は、卒業メンバーと同じようにアフターリワークに来て、勇気や励みをくれた卒業メンバーと一緒に、現状の困り感や不安などを整理して、ご自分の生活に還元出来ると良いですね。


今年も、CRESS交流会にご協力くださった皆様、ありがとうございました。

2018年7月27日金曜日

リワークの卒業式 〜お別れの仕事〜

最近のリワークプログラムCRESSでは、復職を果たしてリワークを終了されるメンバーさんが続いています。

在籍期間には違いがありますが、休職期間をCRESSで共に過ごしたメンバーであることは同じです。
CRESSでは、メンバーさんがリワークを終えるとき、「卒業式」をするようにしています。
「卒業式」というと、学校の卒業式を連想されるでしょう。
卒業されるメンバーさんに向けて、各メンバーが「贈る言葉」を伝えるのです。
餞別などのモノのやり取りはありません。
モノではなくて、卒業されるメンバーに、これからもリワークに残って復職を目指すメンバーが、言葉を贈るのです。
贈る言葉は、「リワークで過ごした日々の思い出」もあれば、「そのメンバーに伝えたかった思い」、「復職後に気をつけてほしいこと」など、いろいろです。
そして、贈る言葉をもらった卒業メンバーは、今度は、そのメンバーに言葉を返します。

CRESSの卒業式は、リワークの卒業式ですから、メンバーの「復職」を祝う意味があります。
それだけでなく、卒業式は、お別れの作業でもあります。

そのメンバーとともに過ごした日々を想い、そのメンバーとのお別れを悲しむ。
復職を祝いたい想いと、お別れしなくてはいけない悲しさを、ともに味わう。

だから、卒業式は、心をいっぱい使う、お別れの作業です。

私は、リワークの卒業式で悲しみを深く感じられるならば、そのメンバーは、とても大事な心の仕事にリワークで取り組んでいたことの一つの証明になると思います。

CRESSで卒業式をするようになったきっかけがあります。
そのきっかけを作ってくれたのは、リワークが開始した当時在籍されていた或るメンバーさんです。

リワーク開始時、なんでも初めての経験でした。
CRESSで初めて復職を決めたメンバーさん。
当時、私たちスタッフは、復職を決めたメンバーさんに対して、リワークグループとして、何をしたらいいか、わかりませんでした。

もちろん、復職を決められたことが嬉しかった。
復職をお祝いしたかった。
そして、お別れすることを、悲しく思いました。

CRESSで、2番目に卒業を決めたメンバーさんが決まった時だったと思います。
5年以上昔の出来事です。
メンバー全員に、卒業を決められたメンバーさんをアナウンスしました。
その後、或るメンバーさんが、私に話たいことがあると言われました。
「卒業を決められた方と過ごすための、お別れの時間を作ってもらうことはできないでしょうか。」
この方の、この言葉が、CRESSの卒業式のきっかけとなりました。

ともにCRESSで過ごした仲間が復職を決めて、リワークを巣立っていく。
そのとき、私に「お別れの時間を作って下さい」と言ってくれたメンバーさんは、わかっていたのでしょう。
リワークの仲間がリワークを巣立つときには、お別れのための作業が必要なのだ、と。

私は、このメンバーさんに、教えられました。

それ以来、卒業式を私たちはするようにしています。

卒業式に向けたリワークでの残りの時間を、大事に過ごしてもらいたいのです。

卒業式は、CRESSにとって、どんなプログラムとも同じように、大事にしたいものです。心の仕事です。