2018年8月30日木曜日

2018CRESS交流会

 気がつけば8月も最終週になりました。時が過ぎるのは、あっという間のように感じます。同時に、あれ?まだ夏か…という思いもあります。それは、今年は7月から酷暑だったこともあり、暑さにうんざりしているのかもしれません。うんざりしながらも、夏らしいことをやり残しているので、夏を満喫するチャンスがまだある!とも感じています。今年は、残暑も厳しいようですので、まだまだ暑さ対策は必要ですね。ただ、こんな暑さはなかなか体験出来ないか〜と思うと、この暑さをもうしばらく楽しんでみても良いのかなとも思えてきました。

 さて、リワークでは毎月第3土曜日にアフターリワークを行っています。アフターリワークでは、リワークを卒業して、復職された方々が集まります。8月のアフターリワークは、“CRESS交流会”として実施します。交流会は、毎年8月に実施しており、今年は第6回目となりました。そして、このCRESS交流会は1年に1回の貴重な日なのです。

 交流会では、何をするのかというと、復職された皆さんが、復職してから日々体験されていることや考えられていることを、現在復職を目指してリワークに取り組んでいる在籍メンバーに向けて、お話をしていただく会となっています。今年も、復職されたリワークの元メンバーの皆様がたくさん集まって下さいました。リワークをつい最近卒業されたばかりという方もいらっしゃれば、復職されて数年経たれている方もいらっしゃり、リワークスタッフとしては懐かしいメンバーとも久しぶりに会え、嬉しく感じました。また、在籍メンバーにとっては、いろんな経験を積まれた方々とお会いできる機会だったと思います。

 CRESS交流会は、スタッフがメインで準備して開催する…というわけではなく、現在リワークに在籍されているメンバーの皆様が、リワークのプログラムであるグループ作業の時間を用いて、準備を進めていきます。準備期間は、とても短いです。毎年のことですが、短期間で作り上げなければならず、とても苦労されました。また、お盆休みもあり、作業と作業の間に数日休みが挟まったことも、仕事と休み(オンとオフ)の切り替えに苦労された方もいらっしゃったかもしれません。しかし、在籍されているメンバーの休み明け16日の出席率は高かったと思います。仕事を責任持って取り組むという、在籍メンバーの思いが、仕事と休みをしっかりと切り替えて、リワークに出てくることを可能にさせたのだと私は感じています。

 交流会では、在籍メンバーから卒業メンバーへインタビューを行います。交流会のメイン企画です。インタビュー内容も在籍メンバーが考えます。質問の順番にしても、卒業メンバーのどなたからインタビューするかにしても、全て在籍メンバーが考えます。準備段階ではどのような質問にしようかと悩まれ、当日では上手くいくだろうかとドキドキされたと思います。
 準備の様子を見ていたからか、在籍メンバーの思いに寄った視点でみがちになりますが、卒業メンバーもインタビューを受けることで、いろんな思いが沸き起こったのだろうなと思います。
 卒業メンバーは、やはりインタビューに応えるプレッシャーがあったと思います。どちらの立場で参加しても、いろいろと感情を動かされる企画だったのではないでしょうか。

 今年のインタビュー、「すごく良かった!」というのは私の感想です。昨年も、その前ももちろん、どの年も貴重な体験談を話して頂いていますし、その年の在籍メンバーも熱心に、インタビューに取り組まれますから、どの会のインビューも興味深く、素敵で貴重な時間であることは間違いありません。

 今年のインタビューを見ていて、「すごく良かった」と感じたのは、2つの理由があります。

 まず1つ目。インタビューに取り組まれた在籍メンバーが、卒業メンバーに対して、丁寧に話を聞くことを熱心にされていたことです。これには、感心も感動もしました。ただ単純に事前に用意した質問を投げかけて、“ありがとうございます”で締めくくるだけでなく、卒業メンバーの語りから、率直に感じられた感想を伝え返しながら、卒業メンバーの話を聞いておられたと思います。それは、リワークや職場で自分の話を熱心に聴いてもらうこと、もしくは機械的に聞かれること、どちらの体験もされたからこそ、自分が話を聞く立場になるとき、どのように聞く(聴く)かをしっかりと選択され、実行されたのだと思います。相手から返ってきた言葉を、しっかりと受け取り、自分の思いや感想を加えて、同じように言葉で伝え返すことに皆さんがエネルギーを使われたのだと感じました。また、在籍メンバーは、自分の復職に向けて必死に取り組まれているからこそ、先に復職を体験されている卒業メンバーの話を熱心に聴かれていたのだとも思いました。

 2つ目は、卒業メンバーの語りです。卒業メンバーは、在籍メンバーのインタビューに取り組む姿勢を目の当たりにし、ご自分の体験を丁寧に語られた方が多かったと思います。今回の交流会で問いかけられた質問は、YesNoで答えられるような質問ではなかったと思います。例えば、「復職を目指している在籍メンバーに、一番伝えたいアドバイスは?」だったり、「復職している現在の心境は?」だったり。心に残ったエピソードを問う質問もあったと思います。どの問いに対しても、表面的ではなく、皆さんがリワークで体験し、悩んだり苦しんだりした事も含めて、具体的に語っておられた方が多かったと思います。在籍メンバーへのアドバイスも、〇〇をやっておきましょうではなく、自分の体験を自己開示した上で、自分は〇〇に取り組んでみたから、皆さんも参考に…との表現が印象的でした。初めて会うメンバーもいる中で、自らの体験を踏まえて話をすることに抵抗もあったと思います。その一方で、自分と同じように復職することに熱心に取り組む在籍メンバーを見て、同じように復職に向けて頑張って欲しいとの思いもあり、その思いが丁寧に体験を語ることへと繋がったのだと感じました。

 今回の在籍メンバーから卒業メンバーへのインタビューの時間を有意義な時間だったと感じられたのは、どちらかの力だけでなく、どちらも互いの思いを受け取り、それに互いが応えることで生まれたものだと私は考えています。
 そして、コミュニケーションは一方通行では成り立たないこと、相互交流で成り立つことを実感しましたし、私も皆さんと向き合う際に取り入れていきたいと思います。

 今回のCRESS交流会は、そのメンバーにとっても、リワークで取り組んできたことを肯定してくれる体験であり、復職への勇気や励みになったのではないでしょうか。その一方で、卒業メンバーのように同じようにやれるだろうかという不安も生じさせたかもしれません。
 不安が生じたなら、残りのリワークをどう過ごすかで取り戻せると思います。復職された後は、卒業メンバーと同じようにアフターリワークに来て、勇気や励みをくれた卒業メンバーと一緒に、現状の困り感や不安などを整理して、ご自分の生活に還元出来ると良いですね。


今年も、CRESS交流会にご協力くださった皆様、ありがとうございました。

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