2021年7月30日金曜日

ストレス対処を考えてみることの大切さ

 歩くだけでも噴き出す大粒の汗、耳に入ってくる騒がしい蝉の鳴き声、茹だるような厳しい暑さ。楽しい!ワクワクする!という気持ちだけでは、夏を乗り切れません。夏に限った話ではありませんが、日々の生活にストレスというのはつきものですよね。

 

先日、リワークのプログラムの中の1つであるグループミーティングのストレスマネジメントの回で、ストレスについてメンバーさんに考えて頂きました。ストレスというのは嫌なもの、無くした方が良いものと思われがちです。ところが、ストレスというのは、日々の生活に張りを与えてくれるもの、ある程度のプレッシャーをかけられるからこそ頑張ろうと思えるものでもあります。…そうは言っても、ストレスに向き合い続けなければならないのは苦痛です。ストレスをマネジメントすることは、すべてのストレスを取り除くということではなく、ストレスが生活の質を脅かすことがないように、その人にとって、適度なレベルにコントロールするための方法を身に付けることを目指します。そこで、ストレスへの対処行動、つまりストレスコーピングを持てていることが重要です。文字だけだと、どのようなものかイメージが浮かびにくいかもしれません。では、具体的に考えてみましょう。歩くだけで噴き出す大粒の汗を感じたとき、ハンカチで汗を拭うのも1つですし、どこかカフェに入って涼むのも有りですね。耳に入ってくる騒がしい蝉の声を感じたときは、耳栓代わりのイヤホンでお気に入りの音楽を聞くことも良いかもしれません。茹だるような厳しい暑さには、クーラーや扇風機で室温調節するか、アイスクリームを食べて涼しさを感じることができるかもしれないです。どのストレスに、どのように対処するのか事前に考えておくことは、これから起こるストレスに備えておくことにも繋がります。

 

実際にプログラムの中で、メンバーさんに考えて頂いたコーピングには色々な種類のものがありました。他の方のコーピングを聞いて、自分のコーピングレパートリーにも加えたいという感想も多く頂きました。自分がどのような時にストレスと感じるのか、どのように受け取るからストレスとなるのか、自分にとってどのようなことがストレスコーピングとなるのか、それは何故そうなのか、これらを考えることは、ストレスコーピングの為だけではなく、自分への理解を深めることにも繋がります。

 

夏のストレスも、コーピングを使って上手に付き合いながら乗り切りたいものです。

2021年7月13日火曜日

雑談の生み出すもの

リワークでメンバーの皆さんは日々、様々なプログラムを仲間とともに体験することで、自分一人では得られなかったような気づきに遭遇されています。何かしらの気づきを得ることは、充実感や、達成感、楽しさが感じられることもあるでしょうが、一方で怖さや嫌悪を伴うこともあります。自分で抱いてきた自己像が、他者と関わることで違って見えてくることは心の成長でもありますが、今まで受け入れてきたものを手放す淋しさや、悲しみも生みます。そういった心の揺らぐ体験を仲間と分かち合うことで、メンバー同士の関係も深まっています。

 プログラムで心のエネルギーを使った後の休憩時間は、自分自身で静かに味わい直すこともあれば、メンバー同士さらに語り合う様子もみられます。新型コロナ対策で密での会話を避けていただく制限や、時間の制約がある中ですが、皆さんそれぞれ、気持ちを共有したり、考えを伝え合って体験を咀嚼されています。そういった自由な時間での語らいが、プログラムで表現されにくかった生の自分をだせるきっかけになることもあるようです。プログラム体験とは無縁のたわいのない雑談が、相手を深く理解するきっかけにつながっていることもありました。

 私自身も、仕事の合間の雑談でスタッフの意外な一面を知ったり、共に笑ったりすることで、職場の人間関係が平面から立体に変わっていくのを感じます。プログラム(仕事)を共に体験する中で築かれる真摯な人間関係と、合間の雑談から生まれる遊び心が調和することでより生き生きと働ける在り方を模索していけるといいですね。