2015年2月27日金曜日

ココロが弱いのではなく・・・

先日、何かのテレビ番組で、
「心が弱いのではなく、視野が狭い」ということを言っているのを聞きました。

仕事をしていて、問題や置かれている状況に対処しきれず、
眠れない日が続いたり、食欲がなくなったりした際、
「自分の心が弱いからだ」と思われる方がいます。
また、休職に至った要因の一つとして、
自分の心が弱かったからだと思う方もおられるようです。

でも、本当は心が弱かったからではなく、
視野が狭かったからという見方もあるのではないでしょうか。

忙しいときや焦っているとき程、
「◯◯するしかない!」と考えがちです。
でも、冷静になって、視野を広げて見てみると、
他の方法もあったというのはよくある話です。

今、リワークプログラムで行っている認知療法は、
視野を広く保つための練習でもあります。
ぜひ復職後も活用していただければと思います。


2015年2月20日金曜日

生活習慣病について

皆さん現在の生活習慣ってどうですか?
休職中は気にしていたけれど、復職してからはさっぱりっていう方もいらっしゃるかもしれませんね。
今週リワークでは生活習慣病について、看護講座がありました。



仕事をしていると、なかなか生活習慣について考える事って少ないと思いますが、是非一度自分の最近の生活習慣について見直す機会を持ってみてはどうでしょうか?



リワークでは生活習慣や生活リズムを整える為にセルフチェックを毎週月曜日に行っていますが、なかなか詳しい事まではお話が出来ない時もあります。
そこで、改めて各自で生活を見直してもらう為に、アルコールの摂取量や、いかにタバコが有害な物か、食生活や運動習慣はどうでしょうか?といった講義内容をメンバーさんと共有させてもらいました。



あまり健康には良くないと言われている喫煙や、晩酌、運動不足、偏食が習慣になっているメンバーさんにとっては耳の痛い話が続いたかも知れません><
しかし、悪い事を知らないまま放っておいた習慣や、修正するきっかけが探せないまま悪い習慣を続けていた方は、今回の講義をきっかけにしてもらえたらと思います。



すぐに全ての習慣を修正するのは大変な作業になりますが、少しずつ見直して健康な日々を送れるようにしていきましょうね☆



2015年2月13日金曜日

短距離か、長距離か…

さて、気づけば2月ですね。

周り見渡せば、梅の蕾が桃色に膨らんでいるのを目にするようになりました。

季節は巡っていますね。


CRESSでも、メンバーさんの卒業や、新しいメンバーさんを迎え入れたり、彩りの違いを感じています。



CRESSでは、「ご自身のペースで参加してください」というのを、リワークに参加されるメンバーさんに伝えることがよくあります。

新しい参加者の方を迎え入れるとき、すでに参加されているメンバーさんが新しいメンバーさんに、「マイペースで参加されるといいと思います」とお伝えしていることもよくありますよね。


人が大勢集まれば、必ず起こりうることですが、人にはそれぞれ違う価値観、ものの見方、考え方や気持ちがあります。

そこでふと思ったのが、もしかすると“ご自身のペースで”という理解の仕方にも相違があるのではないかなということです。



今このブログを読んでおられる方は、“自分のペース”というのを、どういう風に捉えておられますか?


おそらく、いろんな基準があるのではないでしょうか。



自分のそのときの体調を基準にしていくのか。


自分のそのときの気持ちを基準にしていくのか。


どちらも大切にしていくのか。


もしかすると、他にも基準になるものがあるかもしれませんが…




基準にするものを選択していくとき、“どういう風に進んでいくことできれば自分が困らずにやっていけるか”という視点から考えてみると、その答えが見つかりやすくなるのではないかなと思ったりします。



リワークに参加する日常を例にして考えてみましょう…

たとえば・・・
体調がすごく悪くて、頭が痛くて何も考えられない時に、「気持ちとしては問題ないから行こう」と思って、リワークに参加する。


果たしてこの行動が自分のためになっているのかどうかを考えると、どうなのでしょう?

これは、そのときの自分の体調が見えていないということになっています。

一部分だけ見ると、体調が悪くても頑張っているという見方ができるかもしれません。

「参加したい」という欲求は満たされるかもしれませんが、体調が悪くて困っている自分自身を置き去りにしてしまっているということになっていないかに目を向ける必要が生じてきそうですね。

エネルギーがかなり消耗された状態で、さらにエネルギーを費やしてしまうと、枯渇してしまうリスクというのを考えておくことも大切でしょう。




それでは、
体調は優れているけど、「リワークに行くのが億劫で、家を出たくない」と思って、リワークに休む。

これは極端な例ですが、
体調は回復しているのに、リワークに足が向かないというのは、たびたび経験されることがあるように思います。

気持ちだけで行動を選択するというのは、そのときどきの気持ちによって、行動が制限されてしまうので、結局は自分自身を追い込んでしまうというリスクが伴うように思います。



こうしてみてみると、どちらか一方だけを基準にして判断するというのは、何だかうまくいかないように思われますよね。

でもおそらく、自分の体調と気持ちのバランスを考慮した上で行動を選択するというのは、意識していたとしても難しくて、気づかないうちに無理をしてしまっているということが多いように思います。


では、どうしたら自分のペースをつかめるのでしょう?

まず、1つには、CRESSに参加されているメンバーさんは、毎日【生活記録表】に一日の生活リズムやその日の体調、気分などを記載しています。

その記録したものを手がかりに、自分の体調や気分が悪くなったきっかけや原因を振り返っていくという作業をします。

そうして記録していくことで、自分の気分の変化や体調の変化に以前よりも速やかに気づけるようになっていきます。


そしてそれは、復職して継続して勤務するために、「毎日こういうリズムで生活していけたらいいな」という目標と照らしあわせていくことによって、どういうところを改善していけるとよさそうか、どういうことを気をつける必要がありそか、そしてどんな工夫ができるとよさそうかということが見えてくると思います。


そこで考えたことを実行していくことで、体調と気持ちのバランスを取りながら、少しずつ自分のペースをつかんでいくということが可能になっていくように思います。


いつもSFA(ソリューションフォーカストアプローチ)でお伝えしていることですが、
『うまくいかないなとわかったことは続けない』
『うまくいったなら、それを続けましょう』
『何も問題がないのであれば、変える必要はありません』

・・・うまくやれていることを、いい変化を皆さんには大切にしてもらいたいと思っていますし、そこには必ずみなさんがうまくやるために工夫していることがあって、その良い変化が起こっているとSFAでは考えています。



今のペースで進んでいっていいのか不安になったとき、何も指標がないなと感じられる方は、一日一日を振り返って、気持ちや体調の点検をしてみると、あなたにとって無理のない過ごし方というのが自然に見えてくるように思います。


気持ちでは大丈夫だと思っていても、身体が悲鳴をあげていないかどうか、

気持ちで無理だと思っていても、本当に体調は整っていないのかどうか、

いまの自分の状態に真っ直ぐ向き合うことを恐れずに。



そうすればきっと、新しい季節の中で、いろんな変化を感じられるようになっているのではないでしょうか。



2015年2月6日金曜日

リワークを休んでしまったときこそ、考えよう。

CRESSには、休職中のメンバーが、復職を目指してリワークに参加しています。
しかし、職場に再度行けることを目指してリワークに通うようになったのに、遅かれ早かれ、多くのメンバーに、
リワークを欠席する
という体験がされるでしょう。

多いのは、「体調不良」で当日お休みする場合です。風邪を引いたり、頭痛がしたり、熱があったり、身体が動かなかったりと、体調不良の内実はさまざまですが、当人にとっては、『朝起きたけれど、この状態の自分では、今日はリワークに行けない……』と感じられています。
そして、欠席の電話をリワークにすることになります。(お休みされるときは、無断で休むのではなく、電話連絡をしてもらいます。)

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体調は確かに良くないのです。しかし、『リワークに行きたくない』という気持ちがあったと思うのです。説明のつきやすい「体調不良」という言葉によって、『リワークに行きたくない』という体験が、粉飾されているかもしれないことを、リワークでは考えます。「体調不良」という言葉は、より日常語となった「しんどい」という表現となるかもしれませんね。

リワークを欠席しても、リワークでは誰かから叱られることはありません。
叱ることは、リワークの治療的な取り組みとは、本質的に異なります。

しかし、リワークでは、「なぜ私は、この日、欠席するという行動を取ったのか」といことを、その方に考えてもらうことをしてもらっています。

多くの場合、メンバーさん一人では、なぜ休むことになったのかを考えるのは難しいので、リワークではスタッフも一緒に考えます。
なぜ「しんどくなったのか」、そして「しんどくなった際、休むという行動をしたのか」ということを、メンバー当人に、考えてもらいたいのです。
欠席するという行動そのものについて、振り返り、考えることこそ、リワークでの治療的な取り組みの中核的な体験です。
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リワークを、職場になぞらえてみましょう。
リワークを休むことは、職場を休んだことを意味します。
つまり、その方が職場を休むようになり、職場に自分を自力では運べなくなったこと(休職)が、リワークに参加して同じように起こっているかもしれない、と考えるのです。

リワークを休んだときに、「なぜそうなったのか」と考えること。
リワークに自分を自力で運べなくなったとき、そのときの自分の本当の姿を、明らかにすること。

それは、結局、「職場に行けなくなっている自分の姿」を見ることです。
「なぜ自分は職場に行けなくなっているのか」を知ることです。

なぜ、あなたは、リワークを休んだのでしょうか?
「体調不良」や「しんどい」という言葉を用いて、欠席という行動を理由づけることに満足していると、「なぜ私は休職することになったのか」を知ることは、おそらく、できません。

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一緒に考えましょう。

その日のプログラムの内容が苦手なのかもしれない。内容が難しくて理解できず、しかし、そういう「できない自分」を見られて知られるのを避けたいのかもしれない。
その日のプログラムに、興味が持てないのかもしれない。つまらないし、行っても無駄だと感じているのかも。

その日のプログラムは、メンバーと協働作業するプログラム。メンバーと一緒に働くのが嫌なのかもしれない。コミュニケーションをとるのが怖いし、不快だし、嫌だった。その日は身体が重くて、自分を持って来られなかったのかもしれません。

苦手な人がいるのかも。「あの人とリワークで顔を合わせなくてはいけない」と思うだけで、憂鬱になり、「これからも、リワークに行くとあの人がいるのか」と思うと、頭が痛くなるのかもしれません。

前日に、リワークで嫌なことはありませんでしたか?嫌なことを言われた、プログラムで間違った発言をしてしまった、きついことを思わず言ってしまった……。昨日のことを思い出すと、とてもリワークに顔を出す気になれないのかもしれません。

リワークに来るときは、いつも元気で笑顔で活力があるのに、落ち込んでいて暗くて仕事のできない自分が登場してくると、人の前に姿を見せられなくなるのかもしれません。

自分とは異なる人が集まるリワーク集団では、とにかくいっぱい不快なことを感じるのかもしれません。そして、不快を感じると、それを避けること(つまり、欠席する)でしか、今のあなたは、不快に対処できなくなってしまったのかもしれません。
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リワークを休んだときこそ、逃げないで、考えてほしいのです。
休んだときの自分の姿(これは、私たちスタッフからは隠されています)が、なぜ自分が休職したのかを、教えてくれます。

それを「体調不良で、しんどかったから、休んだ」ということで終わらせていては、あまりにもったいないです。
もったいないどころか、復職するために最も必要な自分への気付きを、逃してしまっています。

体調不良に限りません。一見正当に聞こえる理由、つまり、「家の用事」でも、「前からわかっていた用事」であっても、どんな理由であれ、リワークに通う皆さんが、リワークを休んだ場合、それを考えてみましょう。

どうですか? リワークに登場していなかったときの自分の姿を、ありのままに見ることが、できますか? 
見てみると、それは多くの場合、見るのが嫌な自分の姿です。

しかし、それを私たちが見られるようになったとき、そして、それを誰かと一緒に考えられるようになったとき、その人には、これまで休むことでしか対処できなかった不快な場所を、休むこととは違うやり方で乗り越えられる道が見えてきます。

その道は、不快なことがいっぱい起きる職場や環境に自分が置かれたときに、長期欠席して自分の本当の姿を隠してしまう行動ではなく、悩んで困っている本当の自分の姿を運んでいける道となるでしょう。
悩んで困っている自分の身、助けを求めている自分の身、そういう自分を、自力で持っていける力が、そこには生まれたのです。