2020年5月27日水曜日

答えのない状況に耐えること・・・


早いもので、もう5月も終わりが近づいています。新年度が始まり、2か月が経とうとしていますね。
全国で緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ状況はどのように変化していくのか不透明です。外出も普段通りにできない日々が続き、ストレスを感じている方も多いと思います。私自身、行動を制限されるという経験がなく、ストレスを感じることが少なくありません。この状況はいつまで続くのか…そして、これから状況は快方に向かうのか…と皆さん感じておられることと思います。私たちは、このどうなるかわからない状況にどうにか耐えることを求められています。

こうした答えのない状況、対処しようのない状況に耐える能力を表すものに「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念があります。近頃のコロナ禍で注目されつつある言葉なので、聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

普段慌ただしく、でなくても、何気なく生活をしていると、つい結論を急ぎがちになってしまいます。しかし、結果を急ぐということは、その場に立ち止まってみることや熟慮してみることを投げ出していると言えます。
慌ただしい日々を送っていると、この立ち止まって考えてみるということが忘れがちになってしまいます。
しかし、現在のコロナ禍の状況のみでなく、日常、私達を取り巻く環境は答えのないもので満ちています。人間関係もそうです。例えば、「あの人は今どう思っているのか」、「自分がさっきしたことは本当に正しかったのか」など・・・
そして、それを気にすれば気にするほど不安は大きくなっていきます。さらに、自分の中にネガティブな考えが浮かんできたら、それで一杯になってしまうということもあるかもしれません。
そんなとき、結論を急がず、こうした答えのない状況に踏みとどまってみると、一杯一杯だったものから、ふと新しい側面が見えてくることもあるでしょう。

結論を急がずに立ち止まってみることも、慌ただしい日常に中で大切なものかもしれません。

2020年5月22日金曜日

「変わり目」の時

4月7日以来、約1か月半続いた緊急事態宣言が、大阪府では21日に解除されました。新型コロナウイルスの新規感染者数も1ケタの日が続き、感染拡大は落ち着きつつあるといえます。この間、当院でもリワークプログラムの変更などメンバーの皆様にはご不便をおかけしてきました。
感染収束に向けて希望も見えてきた一方、このようなものごとの「変わり目」の時期というものは、意外と精神的に不安定になりがちです。季節の変わり目には寒暖の調節がうまくいかず、体調を崩しやすいように。今回のコロナ禍のような未曾有の事態が起こると、社会心理学でいう「正常性バイアス」で事態を過小評価したり、反対に過度の警戒心を持ってしまったりする傾向のはざまで、緊張と緩和の切り替えがうまくいかないことも多いのです。「自粛モード」「ステイホーム」にやっと慣れたと思ったら、今度は緩和することに不安を覚えたりします。この時期、変化についていけないと思っても、それ自体が誰にとっても普通のことです。イレギュラーで先が読めない状況のときは、イレギュラーなことが当たり前なのだと思って、焦らず一進一退の姿勢を大切に、自分のペースを大事にしていけるといいですね。