2016年7月9日土曜日

グループセラピーの体験 〜「ネガティヴ」な気持ちをどう扱うか〜


リワークでは、自分の本当の気持ちや思いがどういうものなのかを知ることの意義を学んでいます。
そして、それがとても難しいことも、同時に。
休職前の辛かったときのことを思い出してみてください。心の中に様々な感情が湧き上がっていたことでしょう。
「仕事が片付かない。もう自分の力では無理だ」
「上司のわたしに対する態度が嫌だ。なんでいつも厳しい言い方ばかりするんだ」
「なぜあの人は評価されるのに、わたしは同じだけやっていても、認めてくれないんだ。蔑ろにされている。」
「わたしのことをわかってくれる人は、この職場に誰もいない。ひとりぼっちで寂しい。」
「もうわたしなんて、何をやってもダメだ。どれだけ頑張ったって、わたしなんて、ダメなんだ……」
私たちを苦しませる感情は、ネガティヴな感情といわれます。そうしたネガティヴな感情を生んでいる考えにも、私たちは苦しみます。
ネガティヴな感情は、扱いかねることが多いことでしょう。
ある人に非常に怒りを感じていたとして、しかし、この怒りを加工しないままに直接相手にぶつけたら、当然相手もそれ相応の反応を寄越し、二人の関係は破壊されてしまうかもしれません。そういうことがわかるので、私たちは怒りを相手に直接ぶつけることを恐れるでしょう。それを避ける訳です。
しかし、この怒りはどこに行くのでしょうか。
時間が経てば薄れていくかもしれません。その人と接触しなければ、怒りも感じないかもしれません。
しかし、その人とは今後も顔を合わせなくてはいけないとなったらどうしましょうか。仕事の上司や同僚は、そういうものです。
怒りは消化されないままに、心の中で私たちを常に脅かし、その発露を窺うことでしょう。それが相手に向けられない場合は、その矛先を自分自身に向け換えるかもしれません。
怒りだけでなく、落胆、失望、嫉妬、羨望、孤立感といったかなり性質のはっきりした感情から、不安というその正体がはっきりとは知られない感情体験まで、ネガティヴな感情は、それが手に負えないがゆえに、私たちの心身の安定を脅かします。
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リワークに参加しているメンバーは、そういう感情に苛まれたときに、ホームワークを書いて、自分を客観視する作業をされるかもしれません。
ホームワークでは、自分が不安や動揺したときに何を考えていたかを振り返ります。そして、その考えに対して、内なるもう一人の自分が向かい合い、検討を開始します。
すると、ネガティヴな感情に支配されていたときは、極端な考え方や思い込みをしていたことに、気付くかもしれません。こういう別の見方や考え方もあるのではないか、ということに気付くかもしれない。客観的事実的な確認も実施しながら、このように、内なるディスカッション(自己内対話)をホームワークでは試みます。その結果、最初の考えとは違った、もう少しバランスの取れた見方が創造できることが期待されるのです。
このようなホームワークの作業はとても大事です。しかしその一方で、強調しておきたいことがあります。
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私たちが最初に体験していたネガティヴな感情や体験(ホームワークの言葉でいえば、自動思考にあたるでしょう)を、過小評価しないでもらいたい、ということです。ネガティヴな感情や思考(例えば、特定の他者や自己に向けられた「怒り」や「嫉妬」、「失望」、「落胆」、そして「不安」)を、「こんな嫌なことに関わっていたら、しんどいだけだ」として、「考えないようにしておこう」と軽くみなしたり、「私の認知が歪んでいる」の一言で片付けてしまわないことです。
むしろ、このように「ネガティヴ」とさえる心の体験こそが、自分自身を知る貴重な機会を与えてくれます。
「なぜ自分は、この状況に、あるいはこの相手に、こんなに苛立っているのだろう。怒っているんだろう。嫉妬しているんだろう。不安なんだろう。罪悪感があるのだろう」
こういう問いを軽んじないで、大事にして、それをリワークの中で考えましょう。
そうしたネガティヴな体験をしている私たちの心は、これまでまともに相手にもされず(つまり、考えてもらえず)、その存在も直視されず、手を付けないままに、放置されてきた部分です。
でも、その部分はそうやって今まで放置され続けてきたからこそ、休職に象徴されるような心身の危機として、私たちにその存在を訴えかけてきているのです。
苦しいからといって、すぐにネガティヴな体験に目を閉ざさないで、それを見てみましょう。確かにそれは苦しいはずです。でも、休職してリワークに通っている方なら、それが出来るチャンスがあります。
なぜなら、リワークはそういうことに取り組む場所だからです。自分のネガティヴな体験をどう扱っていいかわからずに、休職に至り、苦しんでいる方たちが集っている場所だからです。その手伝いをするために、私たち病院のスタッフもいるからです。
リワークメンバーにとって、その作業の手掛りとなる体験は、リワークの中で起こっていることです。
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グループセラピーというプログラムは、そういう取り組みをしているプログラムなのです。
リワークで日々体験していることを手掛りに、あるリワークメンバーに対しての思いや、スタッフへの思いを、当事者同士で考えることができたら。それは怖くて不安な作業でしょうが、当事者で真剣に考えた体験によって、その相手との関係が壊れることなく、新しい性質を持った関係へと変化したら。
復職に向けて「自分が変化すること」という言い方は、リワークでもよく話題となります。ここでいう変化とは、魔法がかかったようなスーパーマンになることでも、仕事が出来る人間になることでも、苦しみがなくなることでもありません。
私たちのリワークでいう「変化」とは、これまでほとんど扱われないままにきてしまった自己のネガティヴな体験にリワークの中で目を向けることから始まります。それまでおののいているしかなかったネガティヴな自分を直視することから始まるのです。
そして、不安を感じながらも、グループセラピーやリワーク内での対話のなかで、それを当事者で考え合い、考えあえたという関係を持つこと出来ること。それが、変化なのです。
リワークの中で悩むことは、だからそれだけで意義があります。しかしその悩みは、しっかりとつかまえてあげる必要があります。
怖いからといって無視してしまったり、怒りや泣き叫びのような感情の発露だけで終わってしまっては、大事なネガティヴな体験は成長につながらないでしょう。
ネガティヴな体験は、真剣に考えてもらえる機会を、ずっと待っているのです。

2016年6月30日木曜日

リラクゼーション

 まだまだ、雨の降る日が続きますね。毎日、じめじめむしむし。嫌になりますね。梅雨が明けると、今度は暑い夏がやって来ます。それも嫌だな〜なんて、考えてしまいます。
 そんな今日このごろ毎日登っている階段を、とてもきつく感じました。数段上がっただけで、息切れがしてしまいます。どうしてだろう

 人との関係や仕事や勉強だけでなく、湿気や気温も不快感を抱かせ、いつもよりストレスや緊張感が強く、自分で気づかないうちに心身ともに疲れが溜まった状態になっていたのかもしれません。緊張状態が続いていると呼吸が浅くなり、心拍も高まり、いつも平気で登っている階段をきつく感じることになったのかもしれません。
 そんなときは、リラックスして、緊張状態を解きほぐすことが必要かな?と思います。

 個人差はありますが、日々のストレスは誰しもありますよね。自分で気づかないうちにストレスや疲れが、溜まっているかもしれません。今日感じた不快感や疲れ、ストレスなどは、今日のうちに解消したいものですね。


そこで、リラクゼーションについて、書いてみたいと思います。


リラクゼーションとは?
 身体的、精神的、情緒的な緊張のない、くつろいだ状態にする手段や方法のことをリラクゼーションと言います。「休養、息抜き、気晴らし」などを意味し、身体や心を緩めることです。

 例えば、緊張すると呼吸が浅くなったり、心拍数が増えたりしますね。このような反応は、誰にも起こり得るものであり、このこと自体が悪いものというわけではありません。しかし、浅い呼吸が続いたり、心拍数が上がったままの状態が、日常的に続き休息すべきときにも緊張が続いたりするようになると、様々な身体症状や精神症状を引き起こすことがあると思います。

 身体症状や精神症状があらわれる前に、自分でリラックスし、気分転換や息抜きができるようになることが、重要です。

皆さんは、日々の生活の中でリラクゼーションを取り入れていますか?

どのようなリラクゼーションがあるでしょうか?
  マーサージ
  音楽
  ヨガやストレッチ
  運動
などが、思いつきやすいでしょうか?
他には、呼吸法、自律訓練法、眼球運動、アロマテラピーなどもあげられますね。

 昨日のリワークでは、自律訓練法をリワークに参加されている方々と行ってみました。「すっきりした」「リラックスして眠ってしまった」という方や「ぜんぜん、効かなかった」「違うことを考えてしまって、上手くできなかった」という方など、様々な感想が出ていました。



 専門的な知識や方法を知っていないとできないものもありますが、自宅で行いやすいものもたくさんあります。また、Aさんには合っていても、Bさんには合わないなど、好みや個人差があると思います。自分にあったリラクゼーションが見つけられると、日々のストレスや緊張をうまくほぐし、疲れをためすぎない健康的な生活をおくる1つの助けになるのではないでしょうか?
 週に何度かは、緊張から開放され、心身ともに休まる時間をもちたいものです。

2016年6月24日金曜日

【ワクワク♪リワーク通信2016年・夏号】


 

 本格的な梅雨に入り雨の日が多くなってきました。鬱陶しく思うこともあるとは思いますが、前回の『雨』をテーマとした個人プレゼンテーションの際、何人かのメンバーの方が「気持ちの持ちかた次第で雨の日も楽しく過ごすことができる」といった発表をされていて、とても勉強になりました。
 ちょっとした心がけで心身ともに爽やかに過ごし、来る夏にも備えていきたいと思います。

 
 ところで、先日までリワークプログラムのグループ作業では【リワーク通信・夏号】の制作に携わっていました。
 
 グループ作業ではリワークメンバーで構成されるグループを一つの職場と見立てて様々なプロジェクトを達成していきます。それゆえに、普段の私的な生活では現れにくい仕事における自身の特徴が再現されやすい場となります。その特徴にどのように対応し、どのように解決していくかを見いだしていくことが、このプログラムの目的のひとつでもあります。

 今回の作業でも、いろいろな困難はありましたが、メンバー各々が、そこから目を背けることなく取り組むことで、それぞれが掲げた目標の達成や新たな課題の発見に結びついたのではないかと思います。

 
 大人になってくると行事で季節を感じられる事が少なくなってくるかもしれませんが、【リワーク通信・夏号】を手にして頂く事で、リワーク活動の様子を知って頂くとともに元気で爽やかな夏を感じて頂けたらと思います。

2016年6月14日火曜日

じっとり…

梅雨ですね。
この季節は気温や気圧の変動で、体調管理が大切になってきます!
食中毒のリスクも上がってくるので、帰宅後や食事前の手洗いうがいは忘れずに★




雨が続くと曇り空で気分までどよーんとなりがちですよね。。
日照時間が少ない事で暗い日が続き、じめっとした湿気によるストレスも多い事が原因の一つかもしれません><;
そんな時こそ、朝起きたらカーテンを開けて部屋に明かりを取り入れるようにしてください。曇っていれば電気をつけるのでも構いません。



体に光を取り込んで出来るだけ室内を明るくする事で気分転換する事が必要です。体内時計も整い、睡眠の質を上げる事が出来ますよ!


不快な気分ばかりに注目してしまいやすい時期ですが、雨音や紫陽花などに目を向けてみてください。
きれいな物や音に触れると幸せな気分になれますよ^□^




2016年6月10日金曜日

CRESS CAFEのご紹介

今日は、CRESS CAFEのご紹介です。
CRESSでは毎月一回水曜にメンバーの皆さんで協力して簡単な料理をして作ったものを食べながらお茶を楽しむCRESS CAFEをやっています。

普段家では料理しない方も初挑戦される方、全体の流れを見て率先して洗い物や片付けをしてくださる方、正確に計量をして準備して下さる方、電子レンジの前で出来具合をこまめに確認して下さる方、作業中楽しい雰囲気を作ってくださる方など、皆さんそれぞれの役割を担いながら協力して楽しく作業しています。

毎回のレシピは、日々過ぎていく生活の中でも季節感を感じてもらえるようなものや、簡単で自宅でもご自身や大切な人のために作ってもらえるようなものを選んでいます。
3月は桜の時期も近いという事で「桜餅」
4月は行楽シーズンということで「サンドイッチ」
5月は「どら焼き」
でした。

アフターリワークプログラムでも午後に料理とCAFEを行っていますので、CRESSを卒業された方も仲間との交流やリラックスの時間を過ごしに参加してみてくださいませ。
着色した道明寺粉をこねています

全員でお餅を丸めます!
慣れない包丁は使いにくい…

美しく完成!

みんなで楽しく頂きます♪

2016年6月3日金曜日

個人プレゼンテーション「雨」


6月になりましたね。

梅雨の季節ですが、夏のように暑い日もあれば、涼しい日もあったりと、
体調をコントロールするのが、難しく感じますね。


CRESSでは、今日、個人プレゼンテーションのプログラムがありました。

今月のテーマは「雨」です。

今日は、15名のメンバーさんが、5分間ずつ発表されました。

準備期間は、約2週間。
今回は、伝えたいことをまとめるのに、頭を抱えておられた方が多かったようです。



‘雨の日の思い出’

‘雨の日の過ごし方’

‘雨の日の仕事でのエピソード’etc…



みなさん伝えたい事を吟味して、発表されていました。












メンバーやスタッフが大勢いる中で、発表するのはかなりのプレッシャーだと思います。

でも、発表をすることを通して、いま自分がどう考えているのかを整理できたり、みんなに伝えることで自分自身のことを知ってもらうことができたり、お互いのことを知ることができる、良い機会につながったのではないでしょうか。



今日は、プレゼンを終えて、安堵感や、満足感、達成感など、それぞれ手応えがあって、高揚感があると思います。


土日はゆっくり休んで、リフレッシュしてください。



では、また月曜日に!!!

2016年5月23日月曜日

復職に対する態度について、今一度考えよう〜「早く復職したい」、「復職のことは考えたくない」〜


 リワークに参加している方にとって、自分がいつ復職できるのかは、常に心のどこかで発している問いでしょう。
 リワークにおける復職の目安とは、一体どういうものでしょうか。
 リワークを利用している方が、どういう状態になっているときに、少くともリワークから見たときに、復職に向かっていっても良いだろう、と判断できるのでしょうか。
 もっと明確な目に見える判断の材料は、リワークへの出席状況です。リワークの欠席は、職場に行けないことを意味しますから、出席率が低いと、復職は困難です。あるいは、職場に戻ったとしても、休んでしまうことが起こります。
 リワークを休んだときこそ、自分に何が起こっていたかを考えることを、リワークでは強調しています。
 それはすなわち、職場に行けない自分を考えることに他ならないからです。

 出席率は目に見える明瞭な判断材料です。
 目には見えないけれど非常に大事なのは、休職に至った自分を振り返り、内省できる経験が、どれだけリワークで持てたかです。
 そこには、見たくない自分の姿を直視することが伴います。必然的に、リワークでとても悩むことになります。
 もし、「リワークは楽しい」という体験レベルで終始しているならば、それはおそらく、職場に行けなくなった自分を正視することを、避けているのでしょう。
 もちろん、「楽しい」と感じられることには、健康的な側面もあります。
 しかし、リワークで自分を直視し、苦しんだ体験があってこそ味わえる「楽しさ」が、復職への力ですし、再発予防できる力です。
 休職に至るまでには、苦しさや行き詰まりがあったはずです。
 そして、リワークはその苦しみの場であった職場に戻ることを目的とした場所なのです。
 もし、楽しさだけでリワークを経験しているなら、表面的な部分だけを使っているに過ぎないのでしょうし、表面的に自分を見ているに過ぎないのでしょう。

 復職に対する姿勢、復職への思いについて、考えてみましょう。
 話をわかりやすくするために、対照的な考え方を取りあげます。
 つまり、「一刻も早く復職したい」という人と、「復職のことはまだ考えたくない、考えられない」という人に、登場してもらいます。

(1)後者のような状態(リワークに参加しているのに、職場での体験を考えないままでいる人)は、仮にリワークに通えていたとしても、目を閉ざしている状態です。
 実際には、見たくない自分を、見ないようにしているのです。
 大事なことから、すなわち現実から、 逃げつづけている状態です。
 どうしてこういう状態に陥るのでしょうか。
 ひとつには、「職場に行けなくなったときに、一体自分に何が起きていたのか」という振り返り作業に手をつけると、当時の職場での苦しさや不快が、まさに今起こっていると体験されるからだと思います。だから、復職のことは考えられない、考えたくないのです。
 しかし、いつまでのこの状態に留まっていては、復職は困難です。
 リワークの持つ治療的な力は、ひとりでは考えるのが辛いことでも、仲間とともに考え、乗り越えていこうとする舞台が用意されていることです。
 しかし、その舞台に上るかどうかは、主人公であるそのメンバー次第です。
 ここでの仲間とは、同じように職場で悩み苦しんだ経験を持ちながらも、復職や社会復帰という共通の目的で集っているメンバーです。
 そして、メンバーたちと一緒に考えて、復職への道を同伴しようとする病院のスタッフです。
 「職場でのことを考えたり、振り返るのは苦しいけれども、リワークでは、そういう作業をともにしてくれている人たちがいるのだ」と実感できて、そのことに意義を感じられたならば、それまで避けつづけていた復職という現実に向き合うことが、おそらくできるようになることでしょう。

(2)さて、「早く職場復帰したい」と意気込んでいる人はどうでしょうか。復職は近い、と判断できるのでしょうか。
 このときは、復職したい欲求が、どういう動機から生じているのかを、検討する必要がありそうです。

(2−1)その方が、上記したようなリワークでの振り返り作業を積み重ねていたならば、復職したい願望は、復職ができる判断と適合すると思います。
 そういう人は、職場に行けなくなった自分の姿をかなり直視したはずです。そして、リワーク体験を通じて自分の課題に取り組んできたのでしょう。その結果、「そろそろリワークを卒業して、自分の仕事場に戻ろう」と思い至ったのです。

(2−2)しかし、「早く復職したい」という欲求が、リワークで自分を直視することからの逃避として使われている場合は、復職できる判断には繋がらないと思います。そういう方は、職場で困難なことにぶつかり、見たくない自分の姿が見えそうになると、職場から逃避したのだと思います。
 つまり、休職です。
 そして今度は、リワークの中で困難に遭遇しました。そこで見たくない自分に直面しそうになったのです。すると今度は、リワークから逃避したくなるのです。それが、「早く職場復帰したい」という欲求になります。
 この場合は、職場でもリワークでも、自分の中にある未解決の課題に取り組むことが苦しくて、それを避け続けているのです。その点で、本質的には、(1)の場合とさほど違いません。
 もっとも、(2−2)のようなときは、あるいは、(1)の場合も、リワークを休みがちになったり、ときには行けなくなってしまう事態が起こりやすくなるものです。
 「職場に行けなくなったことと同じことが、リワークでも起きている」と理解すべきです。
 こういう方は、偽りの「解決方法」を、リワークで変える必要があります。復職を実現させるだけではなく、再発予防できるようになるためです。

 上記したようなパターンは、その人に固定して起こる訳ではありません。
 例えば、半年間のリワークの利用の経過において、当初は、自分の課題を見つめることを避けようと、「早く職場に戻りたい」と希望していた人が、リワークプログラムやメンバーとの対人関係を持つことで、これまで手を付けられないでいた自分の問題に気付くこともあります。その際、当然苦しくなるので、リワークを休んだりもするでしょう。
 しかし、今度はリワークを休職しないで、踏みとどまることが出来たとしましょう。
 リワークで悩みながらも、様々な人からの力を借りつつ、「自分の弱さ」、「出来なさ」を直視し続けました。こういう方は、何らかの変化を遂げて、リワークを使いきって、職場に戻っていかれるでしょう。

 もっとも、これは理想的にすぎるプロセスなのかもしれません。
 実際は、各人各様、行き詰まったり、自分の変わらなさを認識したりしながらも、それでも現実に向けて歩み出す。
 そういうものかもしれません。

 最初に思い描いていたような理想的な自分にはなれなかったけれども、リワークを利用し、それをやり切った経験(途中で諦めないで、卒業までやり続けた経験)を持てたことは、仕事の現場にとどまり続ける力が身に付いたことを示唆します。

 そして、職場に戻ってから苦しんだり再発しそうになったときに、たとえ理想的な自己解決ができなくても、リワークを卒業までやり切った経験があれば、アフターリワークなどの治療的な繋がりに今後も頼ることができるでしょう。

 リワークでの一日一日を、どう体験しているのか。
 そして、それをどう積み重ねているのか。
 今一度、考えてみてください。