2019年9月27日金曜日

「クライエントこそ専門家である」

 カウンセリングには「クライエントこそ専門家である」という言葉があります。私はこの言葉が好きです。
 どれほど専門知識や経験を持つセラピストでも、そのクライエントの人生については何も知りません。クライエント本人が生きる世界について一番よく知っているのはその人自身に他ならないのです。
 そして人生の困難な局面を懸命に乗り越えていこうとする経験は、苦難であると同時に、おそらくセラピストも知らない、本当に得難い貴重なものであるように思います。それは社会全体にとっての財産になり得ると言っていいでしょう。
 みなさんにはこの財産を、これから存分に活かしていただきたいと思います。それは自分自身のためにでもいいですし、身近な人のためや、さらには社会や仕事で役立つものにもできる可能性があります。それによって過去の経験は、単なるつらい思い出ではなく、力や自信に変わっていくように思います。
 セラピストは、どれだけ経験を重ねようとも常にクライエントのみなさんに教えられ、学び続けます。同じ時間と場所を共にできた貴重な時間を、これからも大切にしていきたいと思います。みなさんに感謝申し上げます。

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