8月、9月のリワークは、復職を果たしてリワークを卒業される方が続いています。先週も、お二人卒業されました。今ごろは、それぞれの職場でお仕事をなさっているのだろうと思います。リワークを卒業し、職場に初めて足を運ばれた日、どのような景色を見られて、どのような出会いがあったのか、どのような思いで職場に居るのか…、やっぱり気になります。
我が子が自立して育って行った時の親心とは、このようなものなのでしょうか…?
さて、タイトルにも書きましたが、リワークには「卒業式」というものがあります。復職が決まると、リワークの最終日が決まります。最終日が決まったら、卒業式の日程を決めます。そして、卒業式を行います。
リワークに卒業式が出来たのは、あるメンバーさんの言葉がきっかけだったと聞いています。
「卒業を決められた方と過ごすための、お別れの時間を作ってもらうことはできないでしょうか」
この方の、この言葉がCRESSで卒業式を行なうきっかけになったのですね。
(2018年7月27日にアップをしたブログを見ていただきますと、詳細に当時のことが書かれています。良ければそちらも合わせて読んで頂けると幸いです)
では、卒業を決められた方とのお別れの時間とは、どのようなものでしょうか?
卒業される方と、最後の時間を過ごすのです。卒業される方へ、それぞれのメンバーが言葉を贈るのです。プレゼントを渡したくなるかもしれませんが、モノではなく、「言葉」を贈るのです。その言葉は、いろいろです。そして、言葉は皆さんのこころ(気持ち)でもあります。
「リワークの初日、緊張していた中、お部屋の案内をしてくれたのが、〇〇さんだった。緊張していた自分にとっては、熱心に教えてくれるその姿がお姉さんのように思え、その後も〇〇さんがいるから安心してリワークに通えた」など、その方とのエピソードを伝えられるかもしれません。
もしくは、「もっと話しておけば良かった…」と後悔だったり、その方に伝えたい思いを話されたりすることもあります。
私が印象的なのは、復職が決まったこと、卒業が決まったことを嬉しく思うと伝えられることです。そして、同時に「復職は嬉しいけど、来週からいないと思うと寂しくて仕方ない。だから、複雑な思いだ」と、別れを寂しく感じたり、悲しく感じたりしていることを伝えられることです。
嬉しいんだけど、寂しい。見送りたいんだけど、まだ一緒にリワークで取り組みたい。
これまで一緒に取り組んできたメンバーとの別れを悲しむ。いろんな思いを、別れの悲しみや、復職を嬉しく思う気持ちと共に味わうように、別れの場面は、こころをたくさん使いますし、苦しい体験でもあると思います。
卒業式のある日は、出席率が良いです。体調が悪くても、しんどくてなかなかリワークに足が向いていなくても、「〇〇さんとの最後の時間だから来た」と話される方が、これまでにも何人もいらっしゃいました。この最後の別れの時間を、皆さんがとても大事なものだと感じられているからだと思います。
「卒業を決められた方と過ごすための、お別れの時間を作ってもらうことはできないでしょうか」
この言葉をスタッフに投げかけて下さった方とは、私は直接お会いしたことはありません。だけれども、お別れの時間が欲しいと伝えて下さったことで、今のリワークで、大切なこころの作業に取り組むきっかけを下さったと、とても感謝しています。
さてさて、来週も卒業式を予定しています。来週の卒業式も、この先の卒業式も、私は大事にしたいと思います。
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