2020年2月7日金曜日

リワークを卒業していかれたメンバーさんたちへ

リワークプログラムCRESSではこの年末から1月にかけて、たくさんのメンバーさんがリワークを卒業されました。

元の職場に復職された方が多いですが、新しい道に踏み出された方もいます。
卒業して、遠い場所に行かれている卒業メンバーさんもいます。


卒業メンバーのCRESSへの参加期間は、4ヶ月ほどの方もいれば10ヶ月ほど参加されたメンバーもいます。

卒業されていくメンバーを前にして、この方たちがリワークへの参加を希望してお会いした時もことを、想い出しました。

元の職場への復職は困難になり、復職への道は途絶えてしまった。体調も優れず、希望が見えず、暗い表情でやってこられたメンバーさん。自分に自信をなくし、自分の価値を感じられなくなっていた。

早く復職をしたいと焦っていても、現実的には気持ちも体力も追いつかず、復職への焦りが募るほど、復職への道が遠ざかっていくようだったメンバーさん。リワークも早く卒業しなくてはと切迫していました。

自分の考えや想いは一方的に主張しても、相手の考えを聞き取ることができずに、自分をなかなか客観視できなかったメンバーさん。そういう姿を、誰かに照らし返してもらえることがなかなか持てなかったようでした。

職場で怖いことがたくさんあって、恐怖にふるえているメンバーさん。自分の主体性と意思を持とうにも、怯えと恐怖の前に、自分自身が主人公になって舞台に上がることができないでいた。

休職を繰り返しても、自分に一体何が起きているのか、じっくり考えることがないままきてしまったメンバーさん。リワークに一体何で通ってきているのか分からず、自分がどこに向かってくるのかもわからない。

仕事と家庭の両立に悩み、休職は自分の人生の危機でもあったメンバーさん。これまでは自分個人にあったと感じてたプライドや専門性も、相手のために生きることで、見失われて、一体自分には何が残っているのか、自分がなくなってしまうような喪失感に打ちひしがれていました。

皆、休職で苦しんでいたのです。

そういう方たちが、リワークに参加して、グループは一緒に悩み、考え、笑い、泣き、心の中にお互いを宿して、リワークを卒業していかれた。

苦しくて希望が見えずにリワークに参加を開始しても、皆、助けを求めていました。

でも、卒業されたメンバーさんたちは、今は、リワークにいません。

毎日リワークに通い、生活記録を毎日書き、リワークで経験していることを週末も考えて、悩んでいた。
でも安易に休むことなく、リワークに来て、何が辛かったのか、何が不安なのか、勇気を出して相談していた。

皆、卒業されて、今は、それぞれの職場にいます。

「皆、どうしているだろうか。」

よく考えます。

私だけでなく、一緒にリワークで復職目指して過ごしてきたメンバーさんたちも、皆さんとの別離を経験して、そう思っているはずです。

健闘を祈りながら、ふと、その人の姿がもうリワークルームにはないことを想って、悲しくなります。

「あのメンバーさんが今、ここにいてくれたら、きっと、こう言ってくれたはずだ。」
そう想って、プログラムを現在受けているメンバーもいるはずです。

アフターリワークでも会えるだろうか、と思います。

順調にお仕事をされていたら、どれだけ喜ばしいでしょう。リワークで自分に向き合って苦しんだ、あなたの経験が、きっと生きているんだし、あなたが獲得した力を発揮しているんだと思います。

でも、順調でなくてもいいんです。
職場で戻って、また辛いことがあり、悩んで苦しんでいるときこそ、アフターリワークに来てほしい。

リワークに初めて来たときのことを思い出して下さい。

リワークは、仕事で悩み、対人関係に苦しみ、人生が辛く哀しいときに、あなたが訪れた場所です。

それまでは、そんな姿は見せられなかった。
息を潜めて生きなくてはいけなかった。

けれども、リワークに来て、私達は出会いました。

だから、アフターリワークに、また助けを求めに来てください。

リワークは、卒業されたメンバーにとって、いつでもその苦しみを一緒に考えて、明日の希望に繋げられる場所として、これからもあり続けます。

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