2014年7月18日金曜日

誰かに抱く気持ちと、誰かを想う気持ち



みなさんは普段、どのくらい自分の気持ちを意識化することができていますか?


自分の気持ちを100%全部わかっている!という人は、まずいませんよね。


「自分のことなのに、よくわからない」と思うことは多分にあると思います。



人が意識しているものは氷山の一角で、

はるか多くのものが無意識の領域にあると考えられています。
(意識と無意識の間に、意識しようと思えば気づけるものは前意識という風に呼ばれています。)

それほど、自分のことなのにわからないことだらけだというのは、特別なことではないのだと思います。






みなさんが生活を送る中で、人と関わるということは欠かせないことですよね。


それは職場でも、リワークルームの中でも、街を歩いているときにも、


私たちは誰かと関わっています。



そして、その誰かと出会っているとき、


おそらく無心な人はいなくて、


何か感じたり、思ったり、考えたり、、、ということを私たちは意識せずに行っています。



「この人、話しやすいな」とか「口調が強くて苦手だな」とか「何が言いたいのかわからなくて困ったな」とか「ユニークで楽しいな」とか。


誰かに対して、何らかの感情が生じます。



そして、
その感情は快の感情もあれば、不快な感情もあって、

その誰かとの関係に大きく影響していきます。



「○○さんはいつも口調がキツくて怖いから、頼らずに自分でやらないと」とか

「●●さんと話してても仕事が進まないから、一緒に仕事やりたくないな」と、距離がうまれる場合もあれば、

「□□さんは何でも優しく聞いてくれるから、困ったら頼もう」とか

「仕事はしんどいけど、■■さんとは気が合うから協力して乗り越えていこう」と思うと、グッと距離が縮まるかもしれませんね。

普段、言葉にはしないけど、いろんな思いを私たちは持ちながら、過ごしています。



そして、気づかないうちに、誰かに対して抱いている気持ちを見ないまま、

'社会人だから'、'仕事だから'、'会社に決められていることだから'と割り切って、そうせざるをえないこともあるでしょう。


'自分が何も言わなかったら問題にはならない'とか


'私の考えは間違えだから、黙っておこう'とか、


'困ってるみたいだから私がやってあげよう'と、


誰かのためを思って、行動してることもあるかもしれません。




でも実際それは、どのくらい相手の人のためになっているのでしょうか?


そして、それは本当に自分自身の気持ちを大事にできているといえるのでしょうか?



・・・こうして立ち止まって考えてみると、


‘ん〜むずかしいな〜’、'じゃあ一体どうしたらいいんだろう'っていう気持ちが沸き上がってくるかもしれないですね。




争いが好きな人はほとんどいないでしょうし、

嫌な気持ちはできるだけ感じたくないかもしれません。

でも私たちの中には、いろんな感情を感じる'こころ'があります。


こころの状態は常に一定で一様なのではなく、微細な動きを続けています。


喜び、哀しみ、苦しみ、憎しみ、楽しみ、悔しさ、、、など、さまざまな気持ちが巡っていますよね。




そういった、自分のこころをどれだけ自分の体験として受け入れることができるのでしょう?

悲しいことを本当に悲しむことができるのか。


喜ばしいことを本当に喜ぶことができるのか。


悲しみに持ちこたえられないとき、それそのものを感じることが難しいときもあれば、

嬉しいときでさえ、素直に実感できないときがあるように思います。


だから、こうして考えてみると、“ありのままを感じる”って、すごく難しいことに気が付かれるのではないでしょうか。



リワークのプログラムの中で、『自分の気持ちに気づきましょう』、『素直な気持ちを表現しましょう』とお伝えすることが多いですが、


言うは易しで、なかなか簡単にはいかないと思います。



普段生活しているときには、どうしたらうまくいくのか?、どうやったら切る抜けていけるのか?、失敗せずにやれるのか?と、解決策を考えていることが多いでしょう。





でも、リワークでは、対処法や解決策を考えることだけではなく、


‘どう思っているのか’、‘どうしてそう感じているのか’という気持ちを一緒に考えていけたらと思っています。



自分の気持ちがよくわからないと言う人も、

自分の中に、置いたままになってる気持ちがないかなと考えてみたり、
もしかしたら、別の気持ちもあるかもしれないなと、自分の内側に向ける眼差しを持っておくことから、
これまでと違った体験が開かれていくように思います。



リワークの中では、‘◯◯さんともっと話がしたいな’とか‘リワークのメンバーさんたちと一緒に仕事ができたらな’とか、‘リワーク以外でも仲良くできたらな’と、抱く気持ちがあるかもしれません。




でも、‘お互いのために我慢しよう’とか、‘復職後のために今の関係を大切にしよう’と相手の人のことを想う気持ちもあるでしょう。





こういうときに、リワークのルールがあるからこそ、メンバーさんが各自考えておられる気持ちについて考えることができます。




きっと、ルールがなくて、全てが自由だったとしたら、

みなさんの心の中にある葛藤は見えないものになっていって、欲求がただただ充満した危険なグループになっていくおそれがあります。



そうならないために、

みなさんが、自分のことについて考えるこころが開かれていくために、

私たちはCRESSの場を提供しています。




いろんな気持ちがあって、その中で何を大切にしていけるとよさそうか、


考えられるタイミングがあれば、目を向けてあげて下さい。








2 件のコメント:

  1. この内容を見て、「ありのままの~」という最近の映画が人気な理由がよく分かりました。現実の社会でありのまま、素の自分、正直な気持ち、意見。上司、部下関係なく出せたらどんなに楽なんだろう。と思います。これはなかなか難しい。。でもそれ自体を感じる事が大事で、今までは「会社やし仕方ない、もうええ。」となって問題から逃げていましたが、現状は自分と向き合い、自身の気持ちを大切にしながら相手に少しでも伝えられれば。。って考えられるようなっています。
    正解はないので、今後もゆっくり考えていければと思います。

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  2. Cさん)コメントありがとうございます。
    「ありのままの~♪」って最近よく耳にしますね。それだけ、みんな生きていく中で、成長とともにいろんなものを身につけて、小さい頃に大事にしていたものを見失ったり、置き去りにしてきて過ごすことになっていたのかもしれませんね。
    もしかしたら、cさんは逃げていた問題、目を背けたかったものに少しずつ向き合う時間を大切にされて、これまで自分が装備していた鎧がどんなものだったのか姿が見えてきて、これからどれぐらいの荷物を持って歩んでいこうかというイメージができつつあるのかもしれないですね。
    自分の気持ちに気づくことは難しいと思いますし、相手に伝えていくことは勇気が要ることだと思います。今、感じている自分に対する想いを大事にしながら、少しずつ歩んでいけるとよさそうですね。

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