「趣味がなくて困ってるんです」と言われるメンバーさんでも、よくよく聞いていくと、好きなことを持っています。
今は趣味から離れているけれど、昔は熱中していたものがあった、ということだってあります。
たとえば、音楽。
音楽を聴くこと、楽器を演奏すること……。ジャンルも楽器の種類もいろいろです。学生時代から音楽に親しんできたメンバーさんがたくさんいます。
次に、スポーツ。
サッカー(ブラジルW杯がもうすぐ始まります!)、野球、ゴルフ、テニス……。そしてリワークのプログラムでもしている卓球。
プレイヤーではなくても、好きなチームや贔屓の選手がいて、熱心に応援しているメンバーさんがいます。同じチームを応援しているメンバーさんがいると、すごく盛り上がるのです。
読書が好きなメンバーがたくさんいます。
リワークの個別作業の時間に、好きな作家の小説をたくさん読破している人がいます。
SF小説にミステリー、歴史小説、内外の純文学から、政治、経済、歴史、心理学、うつ病理解のためのメンタルヘルスの本や、身体医学の本……。たくさんのメンバーさんが、それぞれ興味ある分野で、読書の時間を持ってきました。
京都のお寺巡りを趣味にしていて、そのお寺についての私的なガイドブックを作ることに熱中されたメンバーさんもいます。
趣味とリラックスを兼ねてのパチンコに週末に行って、パチンコについてお話してくれたメンバーさんもいます。
大好きなアイドルのドラマや舞台を鑑賞し、そのアイドルの魅力を折々に熱を入れて紹介してくれたメンバーさんがいます。
印象的なのは、リワークに参加している期間に、昔から興味があったことに挑戦するメンバーさんがいることです。
若い頃に取りたかったけれども取れずにいた、憧れのバイクの免許を見事取って、ツーリングに行ったメンバーさんがいました。
生活習慣目標として始めたジョギングに、今も継続して取り組んでいるメンバーさんもいます。
まだまだ、ここには紹介しきれないほど、CRESSに参加されたメンバー達が、自分の好きなことや趣味を話していたし、その取組みを見せてくれていました。
リワークでは、メンバーが一緒に復職を目標にプログラムに取り組んでいる訳ですが、リワークに通うなかで、それまでの仕事の日々で忘れていた自分の好きなことや趣味に、あらためて出会う機会にもなっているように思います。
何かを好きだと思える気持ち、何かを楽しめるこころ。
それがその人に感じられてきたならば、うつ病のこころに光が差し込んできているのかもしれません。
それまで、こころの全てを覆っていた暗雲に、光が差してくる。
自分には、好きになれる人やものや趣味があるんだ、と思えることは、自分の仕事と再び出会えることにも繋がる、大切な体験です。
「好きなことは何だろう?」という問いかけに、「私は、これが好きだったんだ」と答えられる日が、多くのメンバーさんに訪れるといいな、と思います。
靭公園のバラ園にて
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