2016年7月22日金曜日

休むことってダメなこと?


リワークに参加されているメンバーさんや、リワークを卒業して復職された方々のお話をうかがっていると、

「会社を休むことになって、申し訳ない。僕が休んだ分、みんなに迷惑をかけてしまっている」
「同僚たちは残業して頑張っているのに、私には勤務制限があって、定時で帰ることに後ろめたい気持ちになる」
とおっしゃられていることが多く、

そう思うことになった背景には、どんな心が動いているんだろう?と、考えさせられることが多くあります。



日本に生まれ、日本で育ち、日本で暮らしている私たちは、

日本人のアイデンティティの一部として、

特に意識しないうちに、勤勉が美徳とされ、“休むことはすごく悪いこと”だというのが、心の中に根付いているのかもしれません。


でも、それを、「日本人の心性だから、仕方ないか」と、片付けてしまうのは、どこか違和感を感じてしまいます。


休むことって、そんなにダメなことなんでしょうか?



一概に、‘休む’と言っても、その時間、期間、何を休むのか、質や内容など、さまざまな視点で考える必要があると思いますが、

たとえば、山登りをしているときに、頂上までは徒歩で2時間かかるから、途中30分経過したところで、足を止めてお茶を飲むというのはどうでしょう?

おそらく、2時間休まずに歩き続けると、足も疲れるし、喉も渇く、暑い日差しの中で水分が足らなくて体調を崩してしまうかもしれないし、大量に汗をかいて意識が朦朧としてしまうかもしれない。

そういう状態になったら、皆さん迷わず、休憩を取って、水分補給されるでしょう。



では、締切まで1ヶ月ある仕事が思うように進んでいない中で、毎日残業が続き、寝不足で仕事中の集中力が切れて、体調が思わしくない。そういうときに、1日お休みを取るというのはどうでしょうか?

あと、「1ヶ月しか期間がないし、周りに迷惑がかかるから、その仕事が終わるまでは頑張らないといけない。仕事が大事だから、自分の体調のことなんて、気にしていられない。休んだら、その分、遅れてしまう」と想像された方が多いのではないでしょうか?


ここで、「まだ1ヶ月あるし、ゆっくり進めていこう。体調を整えて、万全の状態で仕事に取り組もう。今、気持ちに余裕がない状態で仕事に取り組んだら、他の仕事にも支障が出るかもしれないし、その方が他の人に迷惑がかかるかもしれないから、今の仕事の進捗や自分の状況を周囲に相談してみよう」と、思われた方は、恐らく自分の状態に合わせて、そのときどきのパフォーマンスを発揮することが得意なのではないかなと推測します。

私たちは機械ではないので、いつでも同じように行動ができるわけではないですよね。

日々、生活している中で、しんどいこと、辛いこと、悩むこと、いろんな出来事に遭遇し、私たちの心は常に揺れ動いています。

どんなときにも、同じようなパフォーマンスを職場では求められることの方が多いでしょう。

でもきっと、求められていることに過剰に合わせようという気持ちが強くなればなるほど、私たちは自分の心の中の気持ちを見失ってしまうことにつながってしまうのではないでしょうか。




「ここで休んだら、ズルズルしてしまうんじゃないかと思う」

「一回、立ち止まってしまったら、もう前に進めないかもしれない」

と、休むことに対する不安が強い人は、

自分のことを信じれないような状態なのかもしれないし、

すごく頑張っている分、やる続ける中で得られているものがあるから、それを手放したくない気持ちもあるのかもしれないですね。




ずっと休憩したままだと、目的地には辿りつけない。


誰も、そこまで運んでくれるわけではないですから。


しかし、ずーっとエネルギーを消耗し続けると、きっと、エネルギーが枯渇してしまって、いつしか前を向けなくなる。


こういう風に考えてみると、


適度に休むことは必要なことだし、

できるときに、パフォーマンスを発揮することも必要なことだというのが見えてくると思います。


・会社を休んでしまった

・休職することになった

・リワークに行けなかった


休んだとき、どうして今休むことが必要だったのか、その意味について考えてみませんか?

今、そうすることが必要だったのかもしれないのですから。


その意味について考えてみて、それがどういうものだったかわかったら、

また進み方が見えてくると思います。


自分は何から目を背けているのか。


自分が何かを達成できないことなのか。


自分の能力を目の当たりにすることなのか。


苦手な人との関係を遠ざけることなのか。


休んだ意味がわからなかったら、休むことが、何かから回避するという手段に変わってしまって、それが繰り返されてしまうでしょう





リワークでは、休職している仲間が集まり、じっくり立ち止まって考えてみて、自分自身についての理解を深めていくということに重点を置いています。


自分のことがわかったら、どうしたらいいのかも見えてくるはずです。

それが見えてきたら、できることから行動できるといいかもしれません。

もし、それが間違っていたとしたら、また考えてみて、できることから始めていけるといいかもしれません。


進むことが必要なとき、休むことが必要なときがあると思います。


置かれている状況と、今の体調と、気持ちのバランスを見ながら、
今、自分がどうすることが大切なのか考えていきたいですね。


仕事を頑張っている分、気分転換する時間も積極的に取ってみたり、

頭と身体を使っている分、休憩を取ったり、

何か一つのものだけに気持ちがとらわれてしまわないということが大事なのかなと思ったりします。







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